【FANZA同人作家向け】売れるページ数は?2016-2022年ページ数推移と「ページインフレ」の傾向
この記事でわかること
- FANZA同人漫画のページ数トレンド(2016年~2022年)
- 「ページインフレ」は本当に起きているのか?
- 読者が求めるボリューム感の変化
- 今後の作品制作でページ数をどう考えるべきか
はじめに
近年、「同人漫画のページインフレが進んでいる」という声を耳にしませんか? 作品のボリュームが読者の満足度や売上にどう影響するのか、気になる同人作家さんも多いはずです。
そこで今回は、2016年から2022年までのFANZA登録作品(成人向け同人漫画)のデータを分析し、ページ数がどのように変化してきたのか、そして「ページインフレ」の実態について調査しました。
最新 の市場トレンドを把握し、あなたの作品制作に活かしましょう!
(調査概要)
- 対象: FANZA同人 成人向け漫画作品 (CG集、総集編、全年齢向けを除く)
- 期間: 2016年1月1日~2022年12月31日登録作品
- データ取得日: 2023年1月時点 (FANZA API使用)
- 作品数: 2022年(10,349作品), 2021年(8,188作品), 2020年(7,880作品), 2019年(7,693作品)など
1. 【全体像】FANZA同人漫画 ページ数トレンド (2016-2022年)
まずは、2016年から2022年までの7年間のデータから、FANZA同人漫画全体のページ数トレンドを見ていきましょう。
グラフを見ると、調査期間全体を通して「26~30ページ」の作品が最も多く登録されていることがわかります。「16~35ページ」あたりがボリュームゾーンと言えるでしょう。
しかし、注目すべきは2019年頃から「36~50ページ」といった、よりページ数の多い作品の割合が増加している点です。これは、同人作家の間で作品の「ボリューム感」を意識する傾向が強まっていることを示唆しています。
2. 【年度別分析】ページ数分布はこう変わった!
次に、各年度ごとのページ数分布を詳しく見て、トレンドの変化を追ってみましょう。
2016年:ボリュームゾーンは「21~25ページ」
この年は「21~25ページ」の作品が最も多く、全体の中心となっていました。
2017年:中心が「26~30ページ」へシフト
前年と比べて「26~30ページ」の作品が増加。ボリュームゾーンが少し厚い方へ移動し始めています。31ページ以上には大きな変化は見られません。
2018年:「31ページ以上」も増加傾向に
「16~30ページ」の作品が増加する一方で、「31ページ以上」の作品も徐々に増え始めており、ボリュームアップの兆しが見えます。
2019年:大きな変化は少ない時期?
「21~25ページ」の作品がやや増加していますが、全体的な分布の形に大きな変化はありませんでした。(誤差の範囲の可能性も)
2020年:分布が安定した「山なり」の形へ
ページ数分布が「26~30ページ」を頂点とする、比較的きれいな山なりの形に落ち着きました。
2021年:「ページインフレ」加速?「41ページ以上」が増加
これまでの中心だった「21~30ページ」の割合が減少し、代わりに「41ページ以上」の作品が目立って増加しました。多くの作家が「ページインフレ」を実感し始めた時期かもしれません。
2022年:激化する競争?「41ページ以上」がさらに顕著に
中心である「26~30ページ」の作品割合が再び増加する一方、「41ページ以上」の作品もさらに増加し、その傾向はより顕著になっています。作品のボリュームによる競争が激化している様子がうかがえます。
3. 【結論】ページインフレは事実!同人作家が今考えるべきこと
今回のデータ分析から、FANZA同人漫画における「ページインフレ」は、特に2021年以降、実際に進行していると言えるでしょう。
もちろん、「ページ数が多ければ必ず売れる」という単純な話ではありません。 ストーリー、画力、キャラクター、テーマなど、ヒットには様々な要因が絡み合います。
しかし、市場全体でボリュームのある作品が増えている中で、ページ数が極端に少ない作品は、相対的に読者に物足りなさを感じさせてしまう可能性が高まっていることは事実です。
【同人作家として考えるべきこと】
- ご自身の作風やターゲット層、制作ペースなどを考慮しつつも、現在の市場トレンドとして「ある程度のボリューム感」が求められつつあることを意識しておく必要がありそうです。
- 今後もこの「ページインフレ」の傾向が続くのか、あるいは変化していくのか、引き続き市場の動向を注視していくことが、同人作家として活動していく上で重要になるでしょう。








